日本森田療法学会倫理綱領
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 近年,個人情報保護の重要性,人権への配慮についての認識が高まっている社会情勢に鑑み, 日本森田療法学会として,日本森田療法学会倫理綱領(以下「倫理綱領」と略記)を制定する必 要があると判断するものである。
 日本森田療法学会倫理綱領は,本学会会員が森田療法を行う際 に守るべき行動の基本原則を示す。

2010年11月26日 制定
2018年 9 月 1 日 改訂
日本森田療法学会倫理委員会
Ⅰ.守秘義務
1.   森田療法学会会員として学会に参加し,そこで知り得た個人情報については,学会員以外の者に伝えてはならない。 これは,職業上ではなくとも,学会員としての守秘義務にあたるものとする。なお,この義務は学会退会後も同様とする。
2.   症例を提示して、学会発表並びに論文執筆をする場合、原則として患者本人の同意を得ることとし、同意を得た旨を、学会発表時並びに論文執筆時に明らかにしなければならない。その上で、症例提示の際に、『個人が特定されないような配慮』を必要とする。
3.   職業上の守秘義務を持たない者は,森田療法学会会員であることを名乗って,治療行為に従事してはならない
4.   森田療法学会プログラムの中には,職業上の守秘義務を持つ者しか参加できないプログラムが含まれ,そのプログラムに職業上の守秘義務のない会員は参加してはならない。
Ⅱ.個人的な関係の禁止
1.   本学会員は,森田療法を受ける者,もしくは指導関係にある者との間に,治療や教育指導と関連のない個人的関係を強いてはならない。
2.   本学会員は,森田療法を受ける者,もしくは指導関係にある者に対して,自らの個人的利益や思想信条に基づく,何らの勧誘行為も行ってはならない。
Ⅲ.差別,暴力の防止
     本学会員は,治療中もしくは教育指導中に起こる人権を脅かす行為については,これを許容することなく,被治療者及び被教育指導者の尊厳と安全を守るよう努めなければならない。
Ⅳ.調査および罰則
1.   本学会に,倫理委員会を置く。同委員会は,本学会に対して倫理綱領違反の申し立てがあった場合,当該申し立てに関する調査を行う。同委員会の構成および調査手続きなどについては,別に定める。(なお,同委員会委員長は予め選出されているが,他の委員については,申し立て事案が発生した時点で,選出されることとする)。
2.   本倫理綱領に違反すると認められた本学会員に対しては,本学会定款,第15条が適用されるものとする。
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